白樺の森で孤独

長野の森に小屋を建てています

穴九つ - 小屋建築【基礎編3】

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どう見ても死体を埋めているよるゆき(@yakou_nt)です。

 

[前回]➡︎家の命は水平 - 小屋建築【基礎編2】 - 白樺の森で孤独

 

そういうわけで、穴を掘ります。

 

地面が凍結しない深さ(80cm程度)で30cm四方の柱を作れるように、直径60cm程度の穴を5つ(四隅と真ん中)、直径30cm程度の穴を4つ(四辺の中間)作ります。

この作業、最初は「2日あれば終わるでしょ」などとナメてかかっていましたが、後にかなり大変な作業であることを思い知ることになります。思い知りました。

死体を埋められるだけの穴を一晩で掘るのはかなり大変でしょう。死体遺棄犯の頑張りを評価したい。

 

さて、気になるのは土の質と植物です。

この土地は長年放置されていたため、土は落ち葉が堆積してできたフカフカの黒土です。作物がよく育ちそうですね。これは掘りやすそうです。

植物は白樺・松があり、低い笹がまんべんなく生えている他にはあまり生えていません。

ここは標高1300mの高原。春先とはいえまだまだ気温は高くならないので、これからたくさん生えてくるのかもしれません。夏にどうなるのかがちょっと怖いです。

小屋のスペースを作るために白樺を切り倒すのは嫌だったので、結果的に木の間近に穴を掘ることになりました。なので根っこの処理が大変になりそうです。

 

掘る

スコップとホールディガー(ハサミ状になった二連スコップ)を使ってひたすら掘ります。

最初はスコップを使って、深くなってきたらホールディガーで土を掬っていく予定でしたが、最終的にはホールディガーを使わずにスコップと100均で買ってきた柄杓の先を使って土を掻き出していく感じになりました。

ホールディガー、重い割にはあまり土を掬えないし、根っこや石があると刺さっていかないという尖った性能をしているので、僕の土地では使えませんでした。でも地面にズドンと突き刺す感触は楽しいですね。

 

掘り始めはとにかく根っこが出てきます。

まず笹の根っこがすさまじく、地表から20cm程度の深さまでを縦横無尽に走っています。

笹は竹と同じく地下茎を横に伸ばす植物のため、根っこというよりは茎が地面から出てきます。その茎がかなり丈夫で手でちぎれないため、ノコギリでぷちぷち切り取っていく感じになりました。

次に白樺の根。これもノコギリで切り取ります。

木の根の弾力性・靭性はすごいですね。これほど丈夫なものだとは思いませんでした。

思えば、生きた木を切ることはほぼ初めてなんだなあ。

 

掘り進んでいくと、石が出始め、70cmあたりで粘土層。このあたりの地層はこんな構成になっているようです。

 

一つの穴に大体3時間、1日二つ。

終盤はバテてペースが遅くなり、結局5日程度の時間を要しました。

普段肉体労働をしない身にはキツい仕事です。

穴掘りで一番使う筋肉は握力です。石を除去したり土を掬うときにショベルカーのごとく手を使うので、かなり消耗します。作業後はスマホを持つ手がプルプルしてました。

背筋を使うと思って事前に背筋だけ筋トレをしておいたのですが、握力は盲点でしたね。

 

これで穴掘り編は終了です。