傾く恐れのある家を作ろう – 小屋建築【基礎編1】
よるゆきです。
前回の記事でまとめたように、小屋には基礎が必要なので、基礎を作っていきます。
[前回]:建築開始 - 白樺の森で孤独
まずは、どんな基礎を作るか。イメージを固めていきましょう。
基礎。建物の土台。
一般的な家の基礎をイメージすると、土を掘り返したり鉄筋を大量に敷いたりと、
素人が一人でできるものではないように思われますが、
上に乗るのは小さな小屋。ちゃんとした部分を省いていけば一人でもできそうです。
そんな頑丈にする必要もなので、多少適当でもいいはず。
家は傾いてもいい
一般的な建物の基礎に求められる機能は、重力や地震で壊れないこと(不壊)、建物が傾かないこと(不沈)です。
家の耐用年数は大体30年ほどだそうですが、そのあいだ基礎は壊れてはいけないし、沈んでもいけない。
基礎はやり直しができませんから、これは当たり前ですね。
しかし小屋に対しては、この常識は揺らぎます。
なぜなら、小屋はその小ささ故にいくらでも後付け・やり直しができるからです。
傾いたら?上物をジャッキアップして柱を調整する。基礎を継ぎ足す。床面を調整して水平を作る。解体して組み直す。
どうとでもなります。
そもそも小屋が一時的に使用不能になったところで僕は困らないので、絶対性を要求する必要がないのです。
なので、基礎はある程度適当にやります。
耐震性はこの際無視します。小さく軽い小屋が潰れることはないと思いますし、潰れても僕が死ぬかもしれない。それだけです。
基礎をどう作るか
一般的に基礎は3種類に大別されます。
①ベタ基礎
地面にベターっとコンクリを流し、面で支える方法。沈下し難いがコストが高い。平地限定。
②布基礎
必要な部分のみを線で支える方法。それなりの沈下しにくさとコスト。斜面でもできないことはないが普通は平地を作ってやる。
③独立基礎
必要な部分のみを点で支える方法。接地面積が少ないため沈下しやすい。柱の長さを調節することで斜面の上にでも作れる。
さて、僕の敷地は全て斜面です。きちんとやるなら整地をしてベタ基礎か布基礎をつくるところですが、重機を召喚するコストが高くついてしまうので、独立基礎以外に選択肢はないようです。
それぞれの基礎は、地面から床面まで全てコンクリートにするのが理想ですが、
小屋を建てようとしている場所は高低差が最大150cmもあります。
そこまでコンクリを流すのは難しいですし、コストも嵩みます。
そこで、小屋作りの上で参考にさせていただいたたるかりさん(http://tarkarian.com:http://tarkarian.com)が採っていた単管パイプを使う方法を採用することにしました。
地面からある程度の高さまでコンクリの基礎を作り、その基礎に単管パイプを埋め込んで柱にする方法です。
このパイプの使い方は当然一般的ではありませんが、木材の柱を建てる場合に比べて床面までガッチリ固定できるので、比較的優秀なのではと考えています。
さらに考慮すべき問題として、寒い地域特有の「凍結深度」というものがあります。
寒い地域は冬季に地面が凍り、霜柱のように表面が持ち上げられてしまう現象が発生します。(凍上現象)
自然の力はすごいもので、その霜の上にある基礎は簡単に持ち上げられてしまいます。
そして、氷が溶けた後は液状化した土に基礎が沈み、家が傾いてしまいます。
そのため、基礎は凍らない深さまで埋め込む必要があるわけです。凍結深度は役所などに聞けば分かります。
土地の凍結深度は約80㎝なので、1m程度地面を掘り、そこにコンクリを流すことになります。
基礎の横幅は適当に35cm四方とします。
これで基礎一つのイメージができました。
これを必要な分配置していくわけですが、どの程度必要かはよくわからないのでなんとなく3×3で9個設置することにします。
ただし、それだと必要なコンクリ量がかなり多くなってしまうので、四辺の中間に位置する基礎は少し手抜きをして20cm程度に細くすることにします。
だいぶ説明臭くなってしまいましたが、これで基礎のイメージが固まりました。
次回からは施工の様子を書いていきます。